子ども向けのプログラミング言語に「ビスケット」というものがあります。この記事では、「ビスケット」の特徴や注意点について説明します。
目次
ビスケットの特徴
ビスケットの最大の特徴は、独特な設計思想(下記に引用あり)に基づく「独自のプログラミング方法」にあります。これにはメリットもありますが、デメリットもあります。デメリットについては、「ビスケットの注意点」で説明します。
「コンピュータをどう動かすか」を指示する能力よりも「コンピュータに何をさせるか」を考える能力を鍛えた方が良いのではないでしょうか。その考えにたって作られたのがビスケットです。
Viscuit(ビスケット)公式サイト「Scratchとの違い」
また、4歳からでも始められるように下記のような特徴があります。
スクラッチ(Scratch)との違い
それでは、ビジュアルプログラミング言語の代表格であるスクラッチとの違いを見てみましょう。今回は自分で描いた絵が画面の左から右に移動するようなプログラミングをしてみます。
スクラッチの場合
スクラッチでは、ブロックを使ってプログラムを作成します。ひらがなや座標などが記載されたブロックを使うので、未就学児が理解するのは難しいと思われます。
ビスケットの場合
「メガネ」を使ってプログラミングします。レンズの左側から右側の状態に変化するようにルールを定めます。下図の場合、左側と右側のレンズで、車の位置がずれているのがわかります。これによって車が前に前に移動を繰り返します。
ビスケットの注意点
複雑なことをさせようと思うと急に難しくなる(非効率になる)
例えば、数字の並べ替えをしたいとします。するとビスケットでは、どちらの数字が大きいか、メガネを使って全ての組み合わせのルールを作る必要があります。
1から5までの数字の並べ替えをプログラミングしようとすると、必要なメガネは10個です。1から10までの数字の並べ替えでは、メガネが45個必要になります。
ただし、数字の並べ替えは小学生にとっては難しい問題です。それはスクラッチを使っていたとしても同様です。
ビスケットは、論理的思考力の向上を目指していない
論理的思考はコンピュータに任せて,人間はその先のことができる
Viscuit(ビスケット)公式サイト「論理的思考の向上を目指さないプログラミング教育」
ゆくゆくはそうなっていくというニュアンスだと思われます。
ビスケットの次に習うプログラミング言語の選択が難しい
「ビスケットの特徴」でも書きましたが、ビスケットは独自のプログラミング方法を採用しています。そのため、他のプログラミング言語を学ぶ際に混乱する可能性があります。
まとめ
文字が読めなくてもプログラミングができるという点で、未就学児にはビスケットがおすすめできそうです。ただし、ビスケットの次に学ぶべきプログラミング言語は今のところなさそうです。そのため、読み書きができるようになる小学生になったら、スクラッチを学ぶことをおすすめします。